第4回セットアップ手順~購入後に最初に行うべきこと
これまでの記事でLedger Nanoの特徴や各モデルの違いを紹介してきました。ここからは、実際にLedger Nanoを手に入れた後の初期設定方法について解説します。初回セットアップは、セキュリティ確保とスムーズな運用のための最初のステップです。
まずは、公式サイトから「Ledger Live」をダウンロードしましょう。Ledger Liveは資産残高の確認、送受金、アプリ(通貨管理用アプリ)のインストール、ファームウェア更新などを集中的に行える便利なツールです。Windows、macOS、Linux、そしてモバイル(iOS/Android)にも対応しているため、自分の環境に合わせて導入してください。
Ledger Nano本体をUSBケーブル、あるいはLedger Nano Xの場合はBluetoothでPCやスマートフォンに接続します。Ledger Liveを起動し、「新しいデバイスのセットアップ」を選択すると、画面上に案内が表示されるので、手順に従って進めます。最初にPINコードの設定を行いましょう。PINコードはデバイスへの不正アクセスを防ぐ鍵となります。4~8桁の数字を慎重に選び、忘れないようにしましょう。

続いて、デバイスが24語のリカバリーフレーズ(シードフレーズ)を表示します。これは資産復元のために極めて重要な情報であり、秘密鍵そのものといっても過言ではありません。必ず紙などのオフライン手段に書き留め、オンラインやカメラロールなどに保存しないようにしましょう。耐火・耐水性のある保管ケースや、複数箇所への分散保管も有効です。
リカバリーフレーズの確認が完了したら、Ledger Live上で任意の仮想通貨アプリをインストールし、アカウント設定を行うことで、実際に資産の送受金や残高確認が可能になります。初回セットアップは多少緊張するかもしれませんが、画面の指示に忠実に従えば初心者でも数十分で完了します。
次回以降は、具体的な資産送受金手順や、リカバリーフレーズのより詳細な管理策、ファームウェアアップデートなど、運用上のポイントを掘り下げていきます。第一歩を確実に踏み出せば、長期的な資産防衛の道が開けるでしょう。
目次
- 第1回:Ledger Nanoとは?その基本と特徴
- 第2回:なぜハードウェアウォレットが安全なのか?
- 第3回:Ledger Nano SとLedger Nano Xの違い
- 第4回:セットアップ手順~購入後に最初に行うべきこと
- 第5回:リカバリーフレーズの重要性と管理方法
- 第6回:対応通貨とアプリインストールの方法
- 第7回:送受金(トランザクション)の基本手順
- 第8回:モバイル環境での活用~Ledger Nano Xとスマホ連携
- 第9回:バックアップと復元~万が一に備える方法
- 第10回:フィッシング詐欺や偽Ledgerサイトに注意
- 第11回:ファームウェアアップデートの重要性
- 第12回:複数のLedger Nanoで同一資産を管理する方法
- 第13回:追加セキュリティ機能~パスフレーズの活用
- 第14回:NFTやDeFiへの対応~Ledger Nanoの進化
- 第15回:トラブル事例~PINコード忘れやボタン不調への対処
- 第16回:中古品購入のリスクと注意点
- 第17回:定期的なアカウントチェックと資産監査
- 第18回:サードパーティウォレットとの連携活用
- 第19回:旅行・出張時の保管方法~物理的セキュリティ対策
- 第20回:Ledger Nanoでの長期的資産保護戦略