第12回複数のLedger Nanoデバイスで同一資産を管理する方法
これまでの連載で、Ledger Nanoを用いた仮想通貨資産管理やセキュリティ強化策、ファームウェア更新などを取り上げました。今回は、同一のリカバリーフレーズを用いて複数のLedger Nanoデバイスで同一資産を管理する方法について解説します。これにより、バックアップ用デバイスを確保し、紛失・故障時にも迅速に資産を復元可能な環境を整えることができます。
基本的な考え方はシンプルです。1台目のLedger Nanoで生成された24語のリカバリーフレーズを安全に保管しておけば、同じフレーズを2台目、3台目のLedger Nanoを初期設定時に入力することで、同一の秘密鍵を復元できます。すると複数のデバイスから同一ウォレットにアクセスでき、いずれのデバイスであっても資産残高や送受金履歴を確認・操作することが可能となります。
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この運用モデルの利点は、「もしメインデバイスを紛失・故障しても、バックアップデバイスがあれば即座に資産へアクセス可能」という点です。また、家庭用と外出用、あるいは別々の地理的場所にデバイスを保管するといったリスク分散もできます。一方で、デバイスが増えるほど管理も複雑になります。PINコードやパスフレーズ、リカバリーフレーズの安全管理に妥協してはいけません。
こうした複数デバイスによる運用は、特に大口保有者やセキュリティ意識の高いユーザーにとって有効な戦略となり得ます。次回は、パスフレーズ機能を活用したさらなるセキュリティ強化策について解説します。あなたの資産管理戦略に合わせて、複数デバイス運用も検討してみてください。
目次
- 第1回:Ledger Nanoとは?その基本と特徴
- 第2回:なぜハードウェアウォレットが安全なのか?
- 第3回:Ledger Nano SとLedger Nano Xの違い
- 第4回:セットアップ手順~購入後に最初に行うべきこと
- 第5回:リカバリーフレーズの重要性と管理方法
- 第6回:対応通貨とアプリインストールの方法
- 第7回:送受金(トランザクション)の基本手順
- 第8回:モバイル環境での活用~Ledger Nano Xとスマホ連携
- 第9回:バックアップと復元~万が一に備える方法
- 第10回:フィッシング詐欺や偽Ledgerサイトに注意
- 第11回:ファームウェアアップデートの重要性
- 第12回:複数のLedger Nanoで同一資産を管理する方法
- 第13回:追加セキュリティ機能~パスフレーズの活用
- 第14回:NFTやDeFiへの対応~Ledger Nanoの進化
- 第15回:トラブル事例~PINコード忘れやボタン不調への対処
- 第16回:中古品購入のリスクと注意点
- 第17回:定期的なアカウントチェックと資産監査
- 第18回:サードパーティウォレットとの連携活用
- 第19回:旅行・出張時の保管方法~物理的セキュリティ対策
- 第20回:Ledger Nanoでの長期的資産保護戦略