この記事の目的:エラーコードだけを見て設定を変更するのではなく、共有元PCまで通信できているか、名前解決できているか、認証できているかを段階的に確認します。
0x80070043で確認したいこと
「ネットワーク名が見つかりません」という表示でも、原因は共有名だけとは限りません。共有元PCの停止、ネットワーク経路、PC名の名前解決、保存済み資格情報、SMB設定、Firewall、共有権限など複数の層があります。
切り分け手順
1. 共有元PCが起動しているか
最初に共有元PCが起動し、同じLANへ接続されていることを確認します。スリープ復帰失敗やネットワークアダプターの状態異常でも共有だけ使えなくなることがあります。
2. IPアドレスで疎通を見る
共有元PCのIPアドレスを確認し、必要に応じてPingなどで到達性を確認します。PingはFirewall設定で応答しない場合があるため、Ping不応答だけで「通信不能」と断定はしません。
3. PC名とIP指定を分けて試す
\\PC名\共有名 と \\192.168.x.x\共有名 を分けて確認します。IPでは開くがPC名では開かない場合、共有そのものより名前解決を疑えます。
4. Windows資格情報を確認する
共有先のユーザー名やパスワードが変わった後、古い資格情報が資格情報マネージャーに残ることがあります。複数の異なる資格情報を闇雲に追加するのではなく、現在どの資格情報で接続すべきかを整理します。
5. 共有権限とNTFS権限を分けて考える
Windows共有では「共有のアクセス許可」とフォルダー自体のNTFS権限の両方が関係します。片方だけをEveryoneフルコントロールへ変更して解決しようとするのは避けます。
6. SMBとFirewallを確認する
現行Windows同士の一般的な共有で、理由なくSMB1を有効にするべきではありません。古いNASや旧OSとの互換性問題がある場合でも、まず機器側がSMB2/SMB3へ更新できないかを確認します。
避けたい対処
- 「共有できないから」とSMB1を即座に有効化する
- Windows Defender Firewallを無効化したまま運用する
- Everyoneへ無制限の書き込み権限を与える
- 原因確認前にネットワーク設定を初期化する
- 保存済み資格情報を無計画に増やす
SMB1について:古い機器との互換性のために必要になるケースはありますが、セキュリティ面の影響があります。恒久対策として安易に有効化せず、共有先機器の対応プロトコルを確認してください。
複数PCが同時に接続不能になった場合
複数台が同時期に接続できなくなり、一部だけ再起動で復旧する場合は、個々のPC設定だけでなく、共有元PC、ネットワーク、認証状態、Windows Update後の状態変化など共通要因も確認します。一台だけ残る場合には、その端末固有の資格情報や名前解決、ネットワークプロファイルとの差分を比較します。
特に「3台のうち2台は再起動で復旧し、1台だけ残る」といったケースでは、共有元が完全に停止している可能性は下がります。復旧した端末と残った端末で、保存済み資格情報、ネットワークプロファイル、名前解決結果、Windows資格情報のユーザー名表記などを比較すると、端末固有の差分を見つけやすくなります。
専門対応では何を見るか
共有元までパケットが届いているか、TCP 445の経路、名前解決、Windows資格情報、SMBネゴシエーション、共有権限、NTFS権限、イベントログを組み合わせて確認します。目的は「つながる設定にする」ことではなく、必要なセキュリティを維持したまま正常な共有状態へ戻すことです。